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小説「偽りのないラビオリに」

秀則は何故ここに座っているのか状況が把握出来ないでいた。自分の知っている場所だと思っていたが、様子が違う事に気付き始める。道路の白線は随分シャープに見えるし、見たことのない車種の自動車が通過している。持ち歩くはずの携帯端末は手元にないし、自分が買ったことがない柄のハンカチがポケットに入っている。そして記憶にない上着とシューズを身に着けている。一人暮らしのワンルームマンションに歩き着くと「おかえり秀則!」と聞き覚えのない声が。
ここはいったい何処なのか?何故ここに居るのか?その記憶を辿ると、嫌な感覚と共に理由を思い出してきた。全ては、あの言葉からだった……。

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