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小説「ペルセポネ」

東京体育館は暗幕に囲まれ、ダークワールドが形作られてた。さながら三次元ゲーム機に登場するSFの世界観と言えば良いだろう。濃い紫色やけたたましいピンク色が、サーチライトの光線に化けている。点滅する赤色と緑色と黄色のLEDは、輝度が高い。コースは、陸上競技トラックをお湯に溶かして歪ませ巨人が上空に引っ張り上げたような立体構造をしている。言わば現実世界に作り出した、電子が猛烈に流れ続ける半導体素子の中身のような、未体験ゾーンだ。ドローンレースがどれほどゲーム感覚のスポーツかは十分に認識していた俊介でも、目が眩みそうな会場の空気だった。

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